· 

スタディサプリ一人勝ち

新型コロナウイルスの世界的感染拡大を受けて、新学期が頭から休校になってしまった。

春休みが延長して喜んでいた子は次々と追加される課題に悲鳴を上げている。

その最たるものは「予習してこい」だ。

学校からは教科書と問題集を与えられ、「何ページまでやってこい」と言われる。

ここをどう乗り切るかで今後の学力に大きく差が出るのは、言われなくてもわかっていると思う。

 

ところで、生徒から気になる情報を得たのだが、高校からは「スタディサプリを見て予習しろ」という課題が出ているのだ。個人的に気になったのは、それがすべての高校で使える訳ではないということと、今までの高校の授業が否定されたことだ。

 

すべての高校で使える訳ではないというのは、ある程度「勉強して大学進学を目指します」という子の割合が多い学校は導入されているが、そうではない「と思われる学校」では導入されていないということだ。

民間業者のスタディサプリを公費を投入して導入するなら、やるやらないに関わらず全ての学校で導入するべきではないかと思うのだが、「うちの生徒はどうせ勉強しない(大学に進学しようと考えている生徒は少ない)からいいや。節約になるし」とでも考えているのだろうか。

「それが嫌なら高校入試でなぜ結果を出さなかったのか。やる気のない人間に使う金はない」というのが社会からの解答ということだ。そういえば、文部科学大臣も「身の丈にあった受験」という言葉を使っていたし、「大学に行くって言っても地元の定員割れの大学に行くんだろう」と思われているということだろう。

少なくともこの不均衡な導入によって、学力格差はとんでもないことになることは疑いようがない。ただし、休校期間に有効に利用できた子が逆転する現象も増えると思われる。個人的にはこちらに期待したい。

 

次に高校の授業についてだが、これも民間の映像授業の方が優秀であると文部科学省が認めたようなものだ。少なくともスタディサプリならば大学受験の基本的な内容は全て網羅できるからだ。言い方は悪いがトップ高以外の高校の授業なんて神授業ならぬ紙授業だ。

先生がずっと黒板と会話している数学や、問題集の答えをひたすら書き写すような授業でその教科を嫌いになってしまった経験もあるのではないだろうか。(自分は英語と数学がそれだった。最悪)

故に文科省が「休校中に学習した内容を再度教える必要はない」などと言えるのだ。

 

ただ、残念ながらシステムとしては今後このような形態に変わっていくと考えられる。これだけ映像授業が普及し、なんなら大学生などがYOUTUBEであげている授業もある中で、あえて板書を写しに高校にいく必要がなくなっている。むしろ教科書内容の予習は映像でやらせて、学校では実験などの実技系の実習をする時間を増やせるのではないだろうか。高校の先生としても聞いているかどうかもわからない授業を展開するくらいなら参加型の授業に集中できた方が良いだろう。

 

今回の騒ぎで、休場しのぎでスタディサプリを導入し、今後は学校の先生が順次映像授業も準備していくこともあるだろう(必要かどうかはともかくとして)がスタディサプリの一人勝ちであることに変わりはない。実際見てみると面白いものも多いし、初学者にはかなりおすすめではある。ただ大学別の受験対策や、質問応答、実際にできるかどうかのチェックが難しいので、そのあたりをこちらは強化していく。

 

勉強はどこまでいっても自分でやるしかない。この事実だけは変わらない。環境を最大限にいかして人生を切り開いて欲しい。